偶然のヒントをつかみノーベル賞
- 2008/06/02(月) 01:43:57
これから数回にわたり、偶然から生まれた発明・発見を紹介していきたい。
【偶然から田中さんもノーベル賞】
2002年に話題になった、ノーベル化学賞受賞の田中耕一さんの場合も、偶然が発明のきっかけになっている。
島津製作所の社員である田中さんは、たんぱく質などの生体高分子の構造分析をするための質量分析法の研究をしていた。
この質量分析法は分子構造を知る方法として現在も広く利用されているもので、分子を気化させイオン状態にして真空中で解析するものである。しかし生体高分子は気化させようと加熱すると分子が壊れてしまう。
田中さんはこの問題を生体高分子をグリセリンなどの液体で包み、レーザーを当てて加熱する方法で解決しようと試みていた。
【試行錯誤の連続】
最初は加熱不足となりうまくイオン化できずに、試行錯誤の繰り返しだ。このような中で、グリセリンとコバルトの超微粉末を誤って混ぜてしまった。しかしこの混合液を捨てずに、そのまま生体高分子を包みレーザーで加熱したら、壊れずに見事イオン化できたのである。
この偶然の方法により、たんぱく質の分析が格段に短縮され、それまで1週間かかっていたものが、1分以内で分析できるようになったという。
失敗作をあえて使ってみる行動、おかしなデータを測定ミスとしないで再現させてみる行動が、偶然のヒントを発見へと導いている。
課題を解決しようとする多くの試行錯誤の中から、このような偶然のヒントが生まれている。飽くなき挑戦が偶然の幸運を呼び込む感じでだ。試行錯誤の行き詰まりが通常と違った行動を引き起こし、新しい結果を偶然として現すのかも知れない。
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